平成25年行ケ102号裁判についてのブログ記事を転載します。リチャード氏が記事で「却下」だと書いていますが、この方の記事によれば「却下」は再開票についての部分的なものであり、訴え自体は「棄却」だということです。どちらが正しいかの判断材料はありませんのでわかりませんが、1216衆院選時の裁判結果からは「棄却」が正しいと思われます。
また、この裁判の騒動についての経緯も書かれています。
平成25年行ケ102号裁判
http://zingoroh.wordpress.com/2013/11/15/%e5%b9%b3%e6%88%9025%e5%b9%b4%e8%a1%8c%e3%82%b1102%e5%8f%b7%e8%a3%81%e5%88%a4/#more-1519
リチャード氏が原告を務めた不正選挙裁判の一つ、行ケ102号裁判の判決が言い渡された。
部外者はおろか、原告さえ予想した通りの棄却である(再開票も却下)。
今回はこの裁判に関する独立党の奇行を紹介する。
この記事は本気で長いので、ここでいったん切っておく。
昨年12月の選挙の際は「裁判は専門家に」ということで、藤島利久氏らに任せて特に何もタッチすることはなかったリチャード氏であるが(その後の7月の選挙で犬丸氏を初めて知ったかのような態度をとっており、その無関心さに驚かされたものである)、今回は独立党で裁判を起こすことを決意した。
しかし、選挙無効の裁判は選挙が行われたあと30日以内に訴訟を起こす必要があり、大所帯の原告団を結成する時間的な余裕がないということで、独立党員が個々に多数の裁判を起こすという方向で方針が固まったようである。
彼らが訴訟を起こすに際してどのような訴状を書いたのかは、RKブログの記事、『いわくつきの伊丹市比例区不正選挙訴訟の訴状の概要です。』『犬丸さんの改訂版訴状(赤字部分に注目!)』『不正選挙訴訟名古屋高裁三重チームの陳述書・答弁書・答弁書への解答・口頭弁論です。』などで彼らの提出した訴状の文面を見ることができるが、筆跡が怪しかったとか、開票所ですげなく扱われたとか、全国のいろんな開票所でいくつかの不正が起きているから全国的に行われているに違いないといった話ばかりである。
またそれらの証拠のほかに『改訂版陳述書』の記事では、リチャード氏が提出したらしい陳述書が記載されているが、なんともはや。
とにかく選挙のことは最初のパラグラフのみで、あとは「なぜ不正が行われたか」という社会的・世界的背景の説明、すなわちRK陰謀論が延々と書かれているのである(それも今回の選挙にかかわりが深いTPPや原発、消費増税のみならず、911同時多発テロや東日本大震災まで話が及ぶ)。
これらを見ていると戦いは始まる前から決しており、「負けに不思議の負けなし」を地でゆく状態である。
◆行ケ第102号裁判口頭弁論
負けることが目に見えている裁判を、そういくつも見に行くほど暇ではないので、自分の都合のつくときに1件くらいは見に行こうというつもりで2013年10月17日の行ケ第102号裁判の口頭弁論を見に行った。
このとき私はかなり適当に裁判をチョイスしており、当日なって原告にリチャード氏がいることに気付いた有様である。
裁判が行われたのは東京高裁4階の第424号法廷。
私が傍聴人席についたのは裁判が始まる約15分ほど前。
この時点でかなりの人数で席が埋められており、残り5席程度の空きしかなかったと記憶している。
他の傍聴人は40代・50代くらいが多く、女性も少なくなかった。
傍聴人の中に「不正選挙バッジ」を装備した猛者がいたのは印象深く、記憶に残っている。
口頭弁論を見に来た人たちの数について、リチャード氏が書いた記事『不正選挙裁判東京高裁102号:裏社会は飼い犬のごろつき裁判官を使って強引に「不正選挙裁判の幕引き」を』では、「傍聴席に入りきれなかった数十人の人たち」という表現があったが、これには少々疑問がある。
口頭弁論が始まるまでに傍聴人席は満席となり、法廷に入ることができなかった人がいたのは確かである。
口頭弁論が始まる直前になって犬丸勝子氏が法廷に到着したものの、彼女の座る席がないために、別の傍聴人が席を譲ったという一幕があったからである。
私は傍聴人席に入ってから廊下に出るということはなかったものの、それでも15分前に私が傍聴人席に入って以降に「数十人」と表現されるほどの人たちがやってきたというのは少々信じがたい。
424号法廷の傍聴人の席数は42であり、リチャード氏の書いた「傍聴席50人(満員)」というのも正確とはいいがたく、事実よりも「盛って」いると受け止めるべきだろう。
口頭弁論の始まる数分前にリチャード氏が原告席に座るべく入廷してきたのだが、ここで傍聴人が拍手でむかえるというありさまで、この時点でかなり「異常」な感じである(といっても、私が比較対象にできるのは藤島氏らが起こした前回の不正選挙裁判くらいしかないのだが)。
口頭弁論は少なくとも藤島氏らの時よりは時間をかけて行われた。
というのも、原告(当然ながら独立党)側の提出した「証拠」(ここでいう証拠は、陳述書なども含む)についての確認が手間取っていたからである。
原告側の出した証拠で裁判長が確認をしていたもので多かったのは、陳述書が「写し」か「原本」かというやり取りである。
「陳述書に判が押されていないので写しということで良いですか?」という質問を裁判長はいくつかの陳述書においてしていたように記憶している。
この時行われた証拠の確認で少し気になったのは、裁判長が原告に証拠について確認をしていった中で、リチャード氏に対しては1件分しか確認を取らなかった点である。
疑問点や確認が不要な証拠については全く言及しなかっただけなのかもしれないが、もしやリチャード氏はあの陳述書しか証拠を提出していないのでは?と思った。
肝心な不正選挙の「証拠」集めは、他の原告に丸投げしていたのかもしれない。
この証拠の確認に加えて、原告側が当日になって証拠を提出してきたこともさらに口頭弁論を長引かせる要因になった。
裁判長が少々怒りながら説明を(原告へ)していたが、行政訴訟では口頭弁論までに原告の証拠とそれに対する被告の答弁の両方を揃えておくことになっており、口頭弁論当日に証拠を追加されたのでは被告側の答弁がない状態になってしまうということが問題とされていた。
追加された証拠のひとつは陳述書である。
傍聴人席では何が書かれているのかを具体的に知ることはできないのだが、裁判長が「この国際評論家小野寺光一という人が・・・・・・」と口にしたことから察するに、『第23回参議院選挙 不正選挙訴状(公職選挙法および憲法前文、憲法31条の立法趣旨違反)』の記事で紹介されていた、「国際評論家小野寺光一」という人がかいた訴状のテンプレートをどうやら提出したようである。
この陳述書を誰が書いた陳述書として証拠にするのかで原告と裁判長の間でやりとりが交わされ、結局、小野寺氏の書いた訴状テンプレを引用した原告の陳述書、という形で落ち着いていた。
もうひとつ提出されたのがDVDである。
この証拠に対して裁判長は陳述書以上の難色を示し、提出された時点で証拠として認めないと発言するほどだった。
印刷済みの文書ならまだしも、DVDではそれこそ事前に出してもらわないと中身の確認ができない、というのが裁判長の言い分である。
これに対してリチャード氏ら原告が猛反発、くわえて傍聴人席に座っている独立党員たちも騒ぎ出した。
この騒ぎが一応の功を奏したのか、裁判官らの一時退出のあと、法廷内にモニターが持ち込まれ、その場でDVDが裁判に関係のある証拠かを見ることになった。
この時モニターはあくまで裁判官らの側に向けられており、傍聴人席から中身を見ることはできないのだが、音声からは察するには犬丸勝子氏が開票所のスタッフにすごく怒っている動画であるということだった。
午後8時の選挙番組が始まると同時に当確が出るのがおかしいという怒りを、マスコミの出す当確とは無関係な立場にある開票所のスタッフにぶつけており、いったいそれが不正選挙と何の関係があるのだというくらいの感想しか私には浮かばなかったのだが、原告は「提出が口頭弁論当日になったのは事情がある」とがんばって提出していた。
こうして証拠の提出が終わった。
この後結審が宣告され、11月14日に判決が言い渡されるということになったのだが、ここで大騒ぎが始まった。
結審を宣言する直前に何かを却下すると裁判長は言ったようなのだが、良く聞き取ることができなかった(リチャード氏によれば当日に提出された証拠の不採用だったとのこと)。
この発言から原告と傍聴人席が大騒ぎになり、リチャード氏は「まだ言いたいことがあるんです」などと絶叫(なら陳述書に書いとけばいいのに)。
そして傍聴人席と一緒になって「売国奴」コールや「斎藤」コールの大合唱である。
傍聴人や原告らが口々に騒いでいる中、とりあえず私はリチャード氏の発言だけをメモすることにした。
当時とったメモとのちに出回った盗撮画像の音声とを比べると、メモはいくらか抜けがあった。
以下は動画からの起こした、興奮状態のリチャード氏の発言である。
「こんなの日本じゃないよ!こんなこと日本人がするわけないんだ、朝鮮人よりひどい」
「これが、こいつらの手口だ。これに徹底的に抵抗しよう。次の裁判は・・・〈聞き取り不可〉・・・もある。あと10も15もある。徹底的に戦うぞ!」
この騒ぎの後、独立党員らは裁判を扱った第21民事部に向かうとして、みな法廷を後にした。
通常であれば行われる閉廷の宣言や退出の指示も、彼らの大騒ぎによって実施されなかった。
私以外のすべての傍聴人は独立党員(あるいは不正選挙陰謀論支持者)だったのだろう。
静かになった傍聴席に残っていたのは私一人である。
職員の方が申し訳なさそうに「それではこれで閉廷としますのでご退出ください」と声をかけてきた。
この後独立党員は大挙して第21民事部に向かって行ったようなのだが、私は同行しなかった。
もしも彼らがそこでシャレにならない騒ぎでも起こしたら、のんきに見物に行った私も巻き添えになるかもしれないと危惧したからである。
「趣味が高じて事情聴取」というのはちょっと嫌だったので、そのまま帰路についた。
◆法廷盗撮動画流出事件
この後、法廷でメモを取っていた私の努力をほぼ無にする事件が起きた。
傍聴人席に座っていた何者かが、この法廷の様子を盗撮し、インターネット上に流出させたのである。
独立党ブログでこの情報がもたらされたのは10月20の記事『あーあ、ついに出ちゃいました。102号裁判の生録音です。』だったが、10月22日にはマスコミによって報道される事態となる。
この2日間になる10月21日に何があったかというと、行ケ96号裁判である。
リチャード氏の記事『2013年10月21日 10:30~ 96号インチキ不正選挙裁判ご報告』よると、この裁判では行ケ102号裁判の盗撮動画を不正選挙の証拠として提出したという。
同記事によると「裁判官の顔色ががらりと変わり、急に態度が硬化した。そして、急に中途退廷した。」とのこと。
その動画の存在自体が、法廷で盗撮という犯罪行為が行われた証拠なのでそりゃびっくりするだろう。
おそらく裁判所はこの時に初めて盗撮の事実を把握したと考えるのが妥当だろう。
この事件が報道されたという事実は、「自分たちが法廷で騒いだという(自称)前代未聞の事件を起こしたにもかかわらず報道されないのは、裏社会がマスコミを抑えているから」というリチャード氏の解釈と矛盾してしまうのだが、リチャード氏はこれを「裏社会の検閲をすり抜けて記事になってしまった」という敵失にすることで説明づけることにしたようである。
最初こそ報じていたのが読売新聞だけだったのでそれでもよかったのかもしれないが、この後に朝日・産経・時事通信と各社が報じているあたり、説明があまりうまくいっていない。
ただ、この事件が報道されたという事実を前向きに受け止め、注目を集めたと考えたリチャード氏はブログ記事にて自説の解説記事を更新。支持者獲得を狙っていた。
「この事件を機に覚醒者が増える、あるいは増やせる」とリチャード氏は考えているようだが、まったく独立党に注目していない人たちがこの事件報道から独立党にたどり着くというのは相当低い確率であるように思う。
報道記事には「選挙無効を求める裁判」という文言こそ出てくるものの、それを「誰が」、「どういう主張しているのか」ということは触れられていないし(「東京都在住」くらいの情報しか出ていない)、盗撮されたこととネットで公開されたことがこの事件の趣旨なので記事を読んだ人も「変なことをやったやつがいるものだ」という程度にしか思わないだろう(もし「選挙無効」で検索してもRKブログは上位には出てこない)。
法律を犯す行為をしてもなお、独立党の知名度はツイッター上で馬鹿な行為をさらして炎上させてしまった若者たちよりも低いだろう。
◆裁判長をたたえる歌
そして口頭弁論後、リチャード氏自身が積極的に取り組んだのが「斎藤隆裁判長を中傷する替え歌を作ること」である。
一応被告人席の女性を「デブ専」や「トンちゃん」などと呼称する活動にも手を出していたが、基本的に攻撃の矛先は裁判長を向いており、もはや訴訟の本来の目的はどうでもよくなっている。
この活動には本当にリチャード氏は熱心に取り組んでおり、『斎藤裁判長を讃える歌』を皮切りに、次々と替え歌を作り(作らせ?)、講演会でみんなで合唱するほどである。
また、これと並行して斎藤裁判長に関する悪評を求め、同裁判長が過去にかかわった事件に関する情報などを集めている。
そうやって集まった中でもリチャード氏のお気に入りが、「斎藤裁判長には女装趣味がある」というネット上の噂話である。
この話が最もリチャード氏の知的レベルと趣味にマッチしたのだろう。
リチャード氏は噂をまったく疑うこともなく、裁判長を「ビッキー」の愛称で揶揄し続ける路線をひた走り、それはこののちの判決日まで影響を与えることとなった(後述)。
ちなみに女装癖の情報源となったとおぼしきツイッターのアカウントは、現在は消されている。
自分たちに不利な展開となった裁判で大騒ぎし、いい加減な醜聞と替え歌をネットでばらまき、「独立党は最強です」などと言って溜飲を下げるというのは実に幼稚な行為である。
ここでいう「最強」など、珍走団(暴走族もしくはおならプープー隊とも)の特攻服に刺繍された「天上天下唯我独尊」程度の代物でしかなく、ただただ閉じた自分たちの世界の価値観に逃避した行為としか言いようがない。
もし法廷盗撮事件の報道から独立党ブログまで奇跡的にたどり着いた人間がいたとしても、その異常さにドン引きするだろう。
この醜態に関して一部支持者からも疑問がわいているようで、寄せられたコメントにリチャード氏は『こんなご意見もあるようです。あー分かっていないなぁと思います。』の記事で回答している。
こんなご意見もあるようです。あー分かっていないなぁと思います。
1.若干の気おくれを感じながら見守っている方々、裁判に携わっている方々に「何をやっても大丈夫なんだ!」を伝えるためのおふざけなんですが。動画を出しても思いっきり茶化しても、司法も警察も動かない….と分かっていただければ、みんな勇気とやる気が出てくると考えてのことです。
2.これらのおふざけネタは一方で裏社会の当事者たちには大きなプレッシャーとなるはずです。下ネタを延々と流される当事者は、日々憔悴しているはずです。動画を見た「同僚」がどう思うか?周囲の目が気になり夜も眠れなくなる。それが目的です。
3.「「うひゃーこんなにおもしれーの初めてだー 釘づけになるー!」と新たに関心を持つ人を増やすためのテクニックです。「ネット炎上」には、こんなネタも時には必要です。
何も考えずにやっているわけではありません。
「何も考えずにやっているわけではありません」とのことだが、一連の奇行が上記のような前向きの効果を発揮するという考えそれ自体がおかしいと気付けないようでは、あまり考えた甲斐はない。
もしリチャード氏らの「おふざけ」を見て「うひゃーこんなにおもしれーの初めてだー 釘づけになるー!」と思う人がいても、その殆どは変人を見る好奇の目でしかない。
結局のところ自分の稚拙な思い付きを正しいと信じ込んでしまっている異様さばかりが目立っている。
選挙運動に教祖の名前を連呼する歌を流して選挙民にウケると信じた連中といい勝負である。
◆行ケ第102号裁判判決日
2013年11月14日。
東京高裁の第424号法廷にて行ケ第102号裁判の判決が言い渡されることとなった。
せっかく口頭弁論を見たのだし、判決も見ておこうということで足を延ばすことにした。
この後も独立党関係者らによる不正選挙裁判は実施されるが、自分自身の目で見に行くのはこの裁判だけにしておこうと思う。
裁判は15時から開かれることになっているが、裁判所からは傍聴希望者について14時30分から傍聴券の抽選を行うと告知されていた。
14時30分に傍聴人希望者として2番交付所に集まった希望者は37名。
424号法廷の傍聴人席数が42であるため、全員が傍聴可能という結果になった。
この後裁判所入り口で荷物の検査を受けた後、法廷前で手荷物の預かりと金属探知があったのだが、この時の警戒の度合いが、かつて同様の手続きを実施した藤島氏らの不正選挙裁判よりも明らかに高かった。
まず金属探知の際のチェックがかなり細かかった。
私は荷物を預けた後、ポケットに自転車の鍵、手には記録用のメモ帳とシャーペンを持っており、職員の持っていたトレーに鍵とメモ帳を預けて、全身金属探知を受けることとなったのだが、そのあとの職員の発言に驚いた。
「こちらのメモ帳のページをさーっとめくっていただけますか?」
そう、メモ帳に撮影機器か何かを隠していないかをチェックされたのである。
メモ帳に何か隠そうと思ったら、ページをくりぬいてものを入れるとか、そういうドラマでしか見たことないようなことをしなきゃならないと思うのだが、まさにそういうことを警戒しているのだろう。
ここまでの細かいチェックは藤島氏らの裁判ではされなかず、明らかに盗撮を警戒していた。
そしてこのチェック対応をしている職員らのほか、法廷の入口よりも奥の邪魔にならないところにだが、大勢の職員が集まってこちらを見ているのである。
大勢でこっちを見て不審者でも探しているのかと思ったが、のちのことを思い返すと、どうもそうではなかったようである。
こうしてチェックを受け終えたあとに傍聴人席についたのだが、ここにも過去に見た裁判とは違う警戒が見られた。
職員が4名(書記官を除く)、法廷に立ってこちらのほうを監視しているのである。
この警戒の重さに私は緊張してしまったのだが(別に悪いことはしてないんだが)、周囲にいる独立党員らしき人たちは気楽な雰囲気で、「教科書に載るような歴史的な裁判になるんじゃないか」とか話していた。
そのあと、リチャード氏ら原告が入ってきたのだが、ここでまた独立党の「悪ふざけ」が極致に達したようなケースに遭遇した。
原告のうち2名が女装していたのである。
私は最初気付かなかったのだが、傍聴人席の前の方に座っている人にも一人女装している人がいたようで、リチャード氏が「気持ち悪いなあ」と笑いながら声をかけていた。
そのあとさらに傍聴人席にブロンドのかつらをかぶった人も現れていた。
気づいた範囲では合計4人。
口頭弁論の時に原告側に女装していた人はいなかった(女性は1名いた)ので、もともと女装家がいたとは考えにくい。
「斎藤裁判長に女装癖がある」というあの噂話から、裁判長を揶揄する意図でやっているようだ。
あの噂が根も葉もないデタラメだったら、原告のうち二人は「単に好きで女装して法廷に出た人」ということになる(会話から察するに二人とも妻帯者である)。
傍聴人や原告らはそのまま裁判が始まるまで「五反田」だの「ビッキー」だのをネタに喋ってうちわで盛り上がっていた。
で、裁判が始まるというときになって、裁判所の職員が大勢入ってきて、傍聴人席と壁の間にずらっと並びだした。
法廷の入口より奥に控えていた大勢の職員はこの警戒態勢のためにいたのである。
この厳戒態勢のなか始まった裁判は、それはそれは短いもので、原告のしていた再開票の請求を却下し訴えは棄却、費用は原告持ちとして終了した。
判決が言い渡されると間もなく独立党は大騒ぎ。
「もしもしかめよ」をベースにした替え歌で歌い始めた。
職員らが歌うのをやめ、退廷するように命じても、粘って「ビクトリア」「斎藤隆はビクトリア」などとおそらく外部の人がきいてもさっぱりわからない叫びを上げ続けていた。
私も少しとどまってメモを続けようかと思ったが、口頭弁論とは違って閉廷も退出を要請するアナウンスも明確に出されていたので、退出することにした。
そんな私より先に退出している人間が数名いたのだが、その中に何とリチャード氏もいた。
とっとと廊下にまで退出しており、職員に「仕事だから大変だと思うけど、この国をなんとかしなくちゃいけないから」とかなんとか話しかけていた。
彼らの仕事を大変にしているのはリチャード氏ら独立党だし、ここで彼らが騒いでも特に日本は何ともないのだが。
そんなツッコミを心の中で入れていると、2名の職員に文字通り引きずられて法廷から引っ張り出されている傍聴人姿が現れた。
ツーマンセルで息の合った職員に両腕を引っ張られ、床との摩擦で衣服は乱れてパンツもちょっとはみ出してる太った傍聴人は、立ち上がると法廷に舞い戻っていき、再び引きずり出されていた。何が彼をそうさせるのか。
ここまで派手な強制退出がそのあともあったのかはわからないが、騒ぐ傍聴人や原告らの何人かが職員に両脇を抱えられて廊下に出される様子を見かけた。
なかには写メで庁舎内や職員を撮影しようとして、職員に抑えつけられている者もいた(独立党員が見ていたかは不明だが、裁判の予定がまとめられたフォルダのそばには「庁舎内は撮影禁止です」という注意書きがある)。
こののち私は速やかに高裁を後にし家路についたが、『本日の東京創価高裁102号不正選挙裁判の判決ですが….』の記事によると独立党員らは1階のロビーで替え歌を合唱したのだという。
東京高裁で行われた独立党の大騒ぎは、「奇祭」とでも表現したほうがよさそうである。
行ケ102号裁判の口頭弁論の前日、テレビ朝日で放送されたドラマ「相棒12 スペシャル」では、陰謀論を信じた人々が拉致監禁事件に善意をもって協力している姿が描かれていたが、私が見てきたリアルな陰謀論者たちは犯罪としては軽いかもしれないが、もっと奇異な行為を見せつけていたのである。
事実は小説よりも奇なり。
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