選挙制度考①一票の格差問題
これまで小選挙区制度における特徴によって自公が大勝したことを記事で紹介してきました。小選挙区制度の問題を知っていた方はもちろんですが、知らなかった方も小選挙区制度について問題意識が芽生えてきたのではないかと思います。
ところがこの問題はそう簡単ではないのです。(少なくとも今の私はそう思っています)
実は私も制度導入直後(第41回1996年<平成8年>)以降、ずっと「小選挙区制度は欠陥だらけなので廃止すべし」という見解でした。
その後リチャード言説に出会って、ユダヤ金融資本・裏社会・アメリカによる戦後支配という事実を知るのですが、そのような視点をもって日本の社会全体を鑑みながら「選挙制度はどうあるべきか」を考えるようになり、少しずつ考え方が変わってきました。そのあたりのことを自分でも整理しながら連載にしたいと思います。ちなみに何回の連載になるかは今のところ見当がつきません(笑)
まず「一票の格差」から話を始めたいと思います。
実は以前に知人たちと一杯やっているときに、ある方が「小選挙区制度によって一票の格差が生じる(違憲判決もあり)のはけしからん」という話しをしました。それを聞きながら『「小選挙区制度」問題と「一票の格差」問題について混同している』ことに気がついたのです。意外と多くの方が同じような勘違いをしているかもしれません。
一票の格差問題というのは訴訟・裁判がニュースになることもあって、問題自体はわりと多くの方が認識していると思います。(メジャーな社会問題とは思いませんが、少なくとも小選挙区制度自体を問題に思っている人よりは遥かに多いと思います)
では「小選挙区制度によって一票の格差が生じる」というのは正しいのでしょうか?
最近選挙に興味をもった方(あるいは若い世代の方)はご存じないかも知れませんが、実は一票の格差問題というのは半世紀あまりも前から言われいることなのです。
下のグラフは裁判を中心とした一票の格差の推移グラフです。
出典引用はこちらです
違法判決が最初にでたのは1972年(昭和47年)の第33回衆議院選挙。もう40年も昔です。この時代は中選挙区制度で、格差はなんと4.99倍。
このグラフを見れば一目瞭然ですが、衆議院選挙で小選挙区制が導入されたのは第41回1996年(平成8年)ですから、中選挙区制度時代の方が一票の格差は大きかったのです。つまり「小選挙区制度になったから一票の格差は広がった」と思っているならばそれは誤りで、小選挙区制度はむしろ格差を縮める効果があり、その点に限れば優れていると言えるのです。
なぜ「一票の格差」が生じるかといえば、それは選挙区割りがあるからです。格差をなくすことだけ考えれば、方法は一つしかありません。「全国1区」(超巨大選挙区制度?)にすることです。これなら絶対に格差は生まれません。
ところがこれには問題があります。まず全国で選挙活動を行うというのが現実的ではないということもありますが、理論上では致命的な欠陥があります。
有権者1億人あまりが300人(現在の衆院小選挙区人数分)を選ぶ場合、究極にはこんなことがあり得ます。
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1位・1億票 (仮に民主候補とします)
2~300位・1票 (仮に全員自民候補とします)
301位以下・0票
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つまり1億票でも1票でも1議席になるので、議会では299人(自民)対1人(民主)になり、民意とはかけ離れます。
※もちろん机上だけの計算です。また上位300人でも一定の得票率を得ない人は落選として部分的にやり直す方法もありますので、法律(ルール)である程度は解消されます。
つまり「一票の格差」を無くす唯一の方法は小選挙区制度と同じで「民意が大きく捻じ曲がる」可能性のある欠陥システムなのです。
ですから「一票の格差」を無くすことと「民意を正しく反映させる」ことは絶対に両立しないのです。
<次回に続く>
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コメント
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お疲れ様です。
昨年の衆議院選挙と、過去の選挙との比較など、資料を使って解説下さり、大変参考になります。
私の方からは、感想程度のコメントしか出来ず、些か気後れしております。
今回の記事、丸子睦美氏=主犯。
最初は、発起人の呼び掛けに乗ったミーハーな人と言うイメージでしたが、これまでの経過をザックリと見ただけでも十分怪しいですね。
ボディーガード(?)の挿入画像には笑いました。
詳細な検証記事を読ませて頂き、大変感謝しております。
また、連載も楽しみにしております。
投稿: 名乗る程の者ではございません | 2013年1月31日 (木) 21時38分