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2015年9月

2015年9月28日 (月)

民主党代表・岡田克也という男④

さて、もう一度直近2回の衆院選における三重3区の状況を確認します。

 

第46回(2012年)衆議院議員総選挙 三重県第3区
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当 岡田克也 59 民主党 前 126,679票 64.1%  ○
落 桜井宏 56 自由民主党 新 54,903票 27.8%  ○
落 釜井敏行 30 日本共産党 新 16,009票 8.1%
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

第47回(2014年)衆議院議員総選挙 三重県第3区
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
当 岡田克也 61 民主党 前 120,950票 64.0%  ○
落 嶋田幸司 40 自由民主党 新 53,659票 28.4%  ○
落 釜井敏行 32 日本共産党 新 14,293票 7.6%
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

確かに岡田氏がダブルスコアで勝っており、没落する民主党としては異例中の異例ともいえる強さです。

 

では三重3区の比例票はどうなっていたのでしょうか?

 

■比例票では民主系より自公系の票が多いという事実

 

実は三重3区において、比例得票で民主系は自公系に負けているのです。

 

第46回(2012年)衆議院議員総選挙 三重県第3区における比例票

                                                         
  民主党 未来の党 社民党 自民党 公明党 維新の会 みんなの 共産党 幸福実現
四日市市(3区) 16,630 3,246 1,121 14,398 7,746 10,988 4,993 3,527 303
桑名市 16,130 4,162 1,320 16,383 5,614 11,655 5,654 3,114 326
いなべ市 6,756 1,183 442 6,207 2,312 3,401 1,550 1,142 94
〔桑名郡計〕 756 168 47 974 398 478 243 235 7
〔員弁郡計〕 3,387 781 262 3,311 1,483 2,421 1,103 617 50
〔三重郡計〕 8,408 1,660 602 7,419 3,521 5,455 2,206 1,636 132
  52,067 11,200 3,794 48,692 21,074 34,398 15,749 10,271 912
67,061 69,766 50,147 10,271 912

 

自民党候補の桜井氏は小選挙区で約55000票でした。自公あわせて約70000票ある比例区よりも15000票ほど少ない計算になります。

一方岡田氏は小選挙区で約127000票を獲得。民主系の約67000票+第三極の約50000票=約117000票になりますが、このうち6000票ほどが共産党の釜井氏に入っていると考えられますのでその分をマイナスすると約111000票。小選挙区との票差が約16000票つまり公明党から15000票が流れていると見られます。

そして、この選挙においてこのような擁立であれば岡田氏は負けていた計算になります。

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民主 岡田 63000票

自民(公明推薦) 桜井 70000票

共産 釜井 15000票

維新(みんな推薦) ○○ 50000票
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岡田氏は2012年の民主党地滑り的大敗選挙において、①自民党候補者への公明党の推薦がなかったことと、②維新の立候補者がいなかったおかげで勝てたのです。

 

 

第47回(2014年)衆議院議員総選挙 三重県第3区における比例票

                                                         
  民主党 生活の党 社民党 自民党 公明党 次世代 維新の党 共産党 幸福実現
四日市市(3区) 19,609 770 1,037 16,501 8,757 1,134 7,591 5,359 351
桑名市 19,327 897 1,091 17,964 5,859 1,086 8,090 5,115 384
いなべ市 7,653 275 399 7,066 2,541 263 2,092 1,655 125
〔桑名郡計〕 907 29 36 955 416 41 370 305 16
〔員弁郡計〕 4,117 162 227 3,700 1,571 155 1,542 1,021 61
〔三重郡計〕 9,828 401 464 8,506 3,879 477 3,541 2,391 199
  61,441 2,534 3,254 54,692 23,023 3,156 23,226 15,846 1,136
67,229 80,871 23,226 15,846 1,136

 

前回よりほぼ横ばいの民主党に比べ、自公が票を伸ばしたことがわかります。岡田氏にとってもより厳しい選挙だったはずです。

ところがまたしても自民党候補者の嶋田氏には公明党の推薦がつかず、約54000票しか得票できませんでした。これは比例区で得た自民党票とほぼ一致します。つまり公明党の23000票は全く入らなかった計算になります。

一方の岡田氏の得票数は約121000票。民主系の約67000票に維新の約23000票を加えても約90000票にしかなりません。公明党票(約23000票)を得なければ不可能な数字です。

そして、この選挙においてもこのような擁立であれば岡田氏は負けていた計算になります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
民主 岡田 67000票

自民(公明推薦) 嶋田 80000票

共産 釜井 16000票

維新 ○○ 23000票
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■三重3区における民主党・岡田克也の強さの正体

 

もちろんこれらは机上の数字のパズルにすぎず、選挙区と比例区で投票先が完全に一致することはありません。

しかし岡田氏の無風区といわれるほどの「圧倒的な強さ」の正体は、

①自民党に手を抜いてもらい公明党票をもらうこと
②維新からの刺客候補を送り込まれないこと

(全国各地で落選している多くの民主党議員は、維新やみんなといった第三極に票を奪われていることが大きな要因。そうでない選挙区は民主党にとても有利)

という超恵まれた条件によるものであることがはっきりとしています。

なぜそんなに優遇されるのかについては・・・・・・それ相応の理由があるのでしょう。

 

え?「旧岡田屋ジャスコの城下町では何党だろうが岡田克也に入れないわけにはいかない」から、そんなうまくはいかないだろうって?

そうかもしれません。しかしそれが理由で岡田氏が選挙に勝てるとすれば、旧岡田屋ジャスコブランドの通用する三重3区でしか勝てないローカルな政治家でしかないということです。

 

 

維新やみんなの党のような第三極政党が意図的に小選挙区で民主党の票を奪って自公に勝たせている例はこの記事などを参考にしてください。

みんなの党の役割
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-bab3.html

リチャードコシミズ氏のための小選挙区制度解説
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-71ec.html

 

(終わり)

2015年9月27日 (日)

民主党代表・岡田克也という男③

共産党の選挙協力提案をあっさりと断った民主党の岡田代表ですが、もともと共産党の無茶ぶりパフォーマンスでもあり、更には断ることを事前に両者で下打ち合わせしていた可能性が非常に高く、その意味においては当然のことでした。

 

 

少し違った見方をしてみます。

 

もし岡田氏自身が「共産党票を得られずに小選挙区で惜敗した民主党議員」の立場だったらどうでしょうか?

 

岡田氏自身がその立場にないことは②の記事に書きましたが、民主党内には小選挙区で共産党や第三極に票を奪われ、人気が全く回復していない自公に議席を明け渡した議員が大勢います。彼らにとってみれば主義主張が合わないといわれる相手であっても、選挙協力できる道はないかと考えても不思議はありません。

・・・自民党と公明党だって手を結んだのだから民主党と共産党だって・・・それに実態はどちらも左翼カルト(SEALDs奥田愛基氏の起用を見ても明らかです)だし・・・

 

 

「民主王国」「自民も重視している選挙区だが岡田(克也?家?)の存在は大きい」「無風区」とwikiに書かれている、岡田氏の選挙区である三重3区の直近2回(ともに民主党大敗だった選挙)で確認します。

 

34647

 
第46回(2012年)衆議院議員総選挙 三重県第3区
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
当 岡田克也 59 民主党 前 126,679票 64.1%  ○
落 桜井宏 56 自由民主党 新 54,903票 27.8%  ○
落 釜井敏行 30 日本共産党 新 16,009票 8.1%
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第47回(2014年)衆議院議員総選挙 三重県第3区
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
当 岡田克也 61 民主党 前 120,950票 64.0%  ○
落 嶋田幸司 40 自由民主党 新 53,659票 28.4%  ○
落 釜井敏行 32 日本共産党 新 14,293票 7.6%
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なるほど。確かに民主大敗の状況でも小選挙区では岡田氏が圧倒的な得票で勝っています。

しかし・・・あれれれ?どちらの選挙でも、対立する自民党候補者に「公明党の推薦」がありませんね???

 

 

■「戦略上、自由民主党もこの選挙区を重視」は平田氏まで?

 

あまりよく知られてませんが、岡田氏が政界入りしたのは中選挙区時代に自民党竹下派の候補者として出馬したことがきっかけです。

 

岡田克也
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E7%94%B0%E5%85%8B%E4%B9%9F
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政界入り
桑名市と四日市市を地盤としていた竹下派所属の山本幸雄の後継者として出馬をした。竹下登と財界との関係で繋がりが深かった父の岡田卓也を通じて打診、克也が「やってもいい」と意欲を見せたことで自由民主党竹下派の新人候補として出馬に至った[8]。

1988年(昭和63年)7月に大臣官房総務課の企画調査官を務めたのを最後に通産省を退官した。36歳の若さで中選挙区の三重1区から1990年(平成2年)の第39回衆議院議員総選挙に出馬した。滑り込みの4位であったが当選した。選挙結果である当選順位は、同じ自民党所属の北川正恭(三塚派所属で2位の110384票)と川崎二郎(宮沢派所属で3位の105183票)より得票数が少ない97290票で、自民党候補では最下位であった。中選挙区制度では他の自民党候補との競争や労組出身の伊藤忠治に勝てずに自分が選挙に強くない事を実感した。

自民党離党後に新生党から出馬して、新党ブームで無党派層の支持を得た。1993年(平成5年)の第40回衆議院議員総選挙ではトップ当選をした。新進党と民主党で一貫して唱えた二大政党制を推進する小選挙区制が有利に働いて、強力な地盤が形成されて、三重3区で大差で連続当選している。

自民党時代は、当初経世会(竹下派)に所属していたが、東京佐川急便事件で竹下派が分裂すると羽田派(改革フォーラム21)に所属した。羽田孜、後藤田正晴らと共に政治改革を訴え、若手国会議員の代表格として頭角を現していく。

(後略)
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自民党離党後、第41回衆議院議員総選挙(これは小選挙区制度ではじめておこなわれた選挙)では新進党から三重県第3区に立候補して当選します。新進党とは自民党・社会党・さきがけの連立政権に対抗するために新生党・公明党・民社党・日本新党・自由改革連合が集まった政党です。

新進党
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E9%80%B2%E5%85%9A

 

新進党はその後公明党が離脱し、1999年には自公政権が樹立。自公の蜜月は2009年~2012年の民主党政権を挟み、現在へと続いています。

 

自公連立政権
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%85%AC%E9%80%A3%E7%AB%8B%E6%94%BF%E6%A8%A9

 

岡田氏は第42回(2000年)~第47回(2014年)の6回、民党候補者として三重3区に出馬し、自民党候補者に勝ち続けてきました。

このうち(2000年)~第45回(2009年)の相手は平田耕一氏でした。Wikiにはありませんが、平田氏には2005年、2009年と公明党の推薦があったようです。

 

平田耕一
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E7%94%B0%E8%80%95%E4%B8%80

2009年・公明、比例15人を公認…自民128人も追加推薦
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin2009/news1/20090806-OYT1T00970.htm

2005年・比例区当選者 東海ブロック
http://www.asahi.com/senkyo2005/carta/A24003002.html

 

2009年の選挙で大敗をする自民党ですが、平田氏もまた三重3区で厳しい結果となりました。平田氏はその後2010年の参院選に出馬しますが落選して引退をします。そして2012年、2014年の候補者はこの二人です。

 

桜井宏
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%9C%E4%BA%95%E5%AE%8F_(%E6%94%BF%E6%B2%BB%E5%AE%B6)

嶋田幸司
http://shimada-kouji.com/

 

この2人に共通するのは平田氏と違い公明党の推薦がなかったことです。

 

(続く)

2015年9月26日 (土)

民主党代表・岡田克也という男②

このシリーズ記事のタイトルが「民主党代表・岡田克也という男」となっているのは、民主党岡田代表が主役だからです。

 

2012衆議院選挙・千葉4区考察②公明創価学会票はどこへ行ったか?
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-6a75.html

 

上の記事は2012年に民主党野田政権が三党合意で消費税増税を行って挑んだ玉砕解散総選挙委です。ご存じの通り民主党は大敗で下野します。その中身は凄まじく、約2900万票あった票を900万に減らすという、これぞ地滑り大敗というものです。

ちなみに2000万票というのは有権者1億人の20%で、自民党の総得票1600~1700万票でも足りない数です。

 

しかしこの地滑り的大敗選挙のにおいて安泰に戦えた民主党幹部が数名いました。その中の一人が千葉4区の野田首相です。

私は公明党が連立パートナーである自民党候補に推薦をつけないことによる得票分析と、公明党支持者による「公明党が民主党政権の戦犯である人の選挙区において自民候補に推薦をつけないのは、八百長と思われる」というブログ記事とともに紹介しました。

 

 

さて、主役の岡田克也氏に登場していただきましょう。

岡田克也
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E7%94%B0%E5%85%8B%E4%B9%9F
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三重県四日市市の岡田屋呉服店を前身とする四日市岡田家(本籍地は四日市市中部地区の諏訪栄町商店街で結婚後は近鉄名古屋線の西側の四日市市堀木に自宅を購入した)の7代目当主でスーパー「岡田屋」を経営していた岡田卓也の次男として生まれる。

(中略)

父の経営するスーパーが、三重県四日市市を拠点とする「岡田屋」から、他社である兵庫県姫路市を拠点とする「フタギ」と大阪府吹田市を拠点とする「シロ」の3社が提携を行い合併して「ジャスコ」となり事業が拡大すると共に、四日市市中心から全国的な経営をする必要から父子で大阪府に移住して、大阪教育大学附属高等学校池田校舎を経て東京大学法学部を卒業する
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言わずと知れた旧岡田屋ジャスコの直系のご子息です。私は地元のことをよく知りませんが、三重3区では旧岡田屋ジャスコには逆らえないのでしょうか?

 

三重県第3区
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%87%8D%E7%9C%8C%E7%AC%AC3%E5%8C%BA
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~元々は保守勢力が強い地域であったが、現在は2区と共に民主党の勢力が県内で最も強い選挙区で、民主王国の一つである。戦略上、自由民主党もこの選挙区を重視しており、参議院議員であった平田耕一を擁立して比例名簿順位1位に掲載するなどの措置を行ってきたものの、イオングループ創業者・岡田卓也の次男であり、民主党代表などを歴任した岡田克也の存在は圧倒的で、特に2009年の第45回衆議院議員総選挙では他の候補に10万票以上の差で勝利している。

民主党に逆風の吹いた第44回(2005年)・第46回(2012年)・第47回(2014年)の総選挙でさえ、岡田は6割を超える得票で圧勝しており、無風区のひとつに挙げられる(ただし第44回と第46回は自民党候補が比例復活している)。
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3

なるほど、Wikiには「民主王国」「自民も重視している選挙区だが岡田(克也?家?)の存在は大きい」「無風区」ということが書かれています。

これは本当でしょうか?

(続く)

 

2015年9月25日 (金)

民主党代表・岡田克也という男①

1

2

 

 

民・共の協議不調に=岡田氏「連立ハードル高い」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150925-00000138-jij-pol
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民主党の岡田克也代表と共産党の志位和夫委員長が25日、国会内で会談した。
志位氏は、国政選挙での野党間の協力と、安全保障関連法の廃止を目的とする暫定的な連立政権構想に関する協議入りを要請。
これに対し、岡田氏は選挙協力に消極的な姿勢を示すとともに、連立構想の実現性にも疑問を呈した。
ただ、今後も話し合いを継続することでは一致した。
席上、岡田氏は共産党との選挙協力について「保守層・中間層の支持が減ってしまい、結果的に(政権交代の)目的が達成できなくなるという議論もある」と指摘。
志位氏が「国民連合政府」と表現する連立構想に対しても、「果たして現実的か。共産党と政府を共にするのはハードルが高い」と伝えた。
岡田氏はこの後の記者会見で、「政策が一致していないと、国民にとって困ったことになる。
選挙協力もなかなか厳しい」と述べ、現段階で共産党の提案をのむのは難しいとの認識を示した。
岡田氏は当初は前向きな姿勢を示していたが、民主党内で保守系議員を中心に反対論が根強い事情を考慮し、軌道修正した。
野党間の選挙協力などは、安保法成立を受け、志位氏が19日に提唱。
共産党は、全選挙区に候補を擁立することが多く、非自民票が割れる結果を招き、批判も出ていた。
志位氏は岡田氏との会談で「私たちも変わらなければならない」と述べ、柔軟に対応する用意があるとの考えを伝えた。
志位氏は会談後の記者会見で、昨年12月の衆院選沖縄1~4区で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対を共通項に保守・革新の共闘を行った例を挙げ、
「保守の方々とも国民的な結集は可能だ」と指摘。なお協力を模索する考えを示した。
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共産党の選挙協力提案を民主党の岡田代表はあっさりと否定しました。

共産党・民主党の両左翼勢力が自公から政権を奪い、彼れらの言うところの「戦争法案」を改正しようとする意思などさらさらなく、自公の補完役として日本を没落せさせるための一味であることを解説します。

 

 

①共産党が自発的に候補者を擁立しなかった2009年衆院選

 

2009年当時の共産党は、衰退し続ける党勢(支持者の低下)に喘いでいました。そのため党費やしんぶん赤旗の売上、カンパなどが減り資金面が悪化。そこで全国300(当時)の小選挙区の約半分で候補者擁立を取りやめました。

これにより党員や支持者は小選挙区において民主党候補に投票することとなり、それが2009年民主党大勝の大きな要因となります。

政権交代(自公敗北)に慌てたのは共産党執行部です。なぜなら共産党は反自公どころか自公政権を助けるために存在していたのに、その役目を果たせず政権交代が起ってしまったからです。ですから資金難が解消されたわけでもないのに、その後国政選挙では全ての小選挙区に擁立をし続けています。

 

 

②協力する気など全くない共産党の単なるパフォーマンス

 

私はこのニュース(共産党による選挙協力提案)が流れた時点でこのように記しました。

<安保関連法成立シリーズ>③民主主義とは多数決による意思決定
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-e0ef.html

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これまで散々自民党に助け船を出すために小選挙区で候補者を擁立し続けてきた共産党が「選挙協力」を言い出しました。
ただしきちんとした道筋で実現するかどうかは極めて怪しく、またこの発言がこのタイミングで報道されること自体「実現しないことを前提にしている」ように思えます。
肝心なことは、2016年の参院選ではなく次回総選挙(衆議院)でやることです。参院選だけなら全く意味がないことはこのシリーズの①に書いた通りです。
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相手方との交渉・協力を実現するには根回しや下準備が不可欠なのは言うまでもありません。仲のいい関係ならまだしも、そうでない相手なら尚更です。

いきなり「○○しよう!いい考えだろ!」と言えば交渉事が実現すると、志位共産党委員長は本気で思っているのでしょうか? そんなことはないでしょう。痩せても枯れても国会議員であり党の代表です。それに共産党も国会内外でいくららも根回しや下準備をやっているはずです。

ところが今回は何も下準備をせずにいきなり世間に宣言しました。民主党の岡田氏にしてみればそれこそ「いきなり一方的にそんなことを宣言されても対応できない」というのは当然のことです。

つまり共産党は最初から民主党との協力をするつもりなどなく(あれば入念な根回しや下準備をしているはずです)、多少の人気取りのためのパフォーマンスにすぎないこということです。

 

 

③民主党もまた選挙協力する気がなく、同時に自公から政権を奪う意思もない

 

このブログで何度も書いていますが、2009年に政権を奪取した民主党は国民の期待をことごとく裏切って下野しました。改めて書きますが消費税増税を決めたのは民主党野田政権です。

その野田政権は消費税増税という最大の裏切りをして解散総選挙に臨みます。この時点で勝つ気(あるいは勝てる見込み)などありません。日本を混乱させ国民を不幸の道へ追いやった民主党の執行幹部らは、自らの議席を自公に恵んでもらうことと引き換えにさっさと自公に政権を譲ったのです。

 

2012衆議院選挙・千葉4区考察②公明創価学会票はどこへ行ったか?
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-6a75.html

 

民主党の役割は「反自公政権」を樹立させないことです。これは民主党に限らず維新などの第三極や共産党も同じです。反自公でまとまると、いとも簡単に政権を奪えるのです。自公が議席を得ているのは支持や人気があるからではなく、野党が協力せず分裂しているからにすぎません。

ですから民主、維新、共産などは間違っても選挙で野党共闘してはならないのです。彼らが何のかんのと理由をつけて分裂を繰り返すのはそれが理由です。

そうやって全ての党と政治家が自公政権を演出しているのです。全員グルです。政治家や政党が戦っていといういのは嘘なのです。

 

(続く)

2015年9月23日 (水)

<安保関連法成立シリーズ>⑤極左(極右と同義語)にどっぷり浸かった小沢一郎氏の耄碌発言

⑤極左(極右と同義語)にどっぷり浸かった小沢一郎氏の耄碌発言

 

生活の党・9月15日の記者会見より
http://www.seikatsu1.jp/activity/press/20150919-2.html

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Q.国会周辺での安保法案反対のデモが、国会内に影響を与えていますか。また、デモに参加する以外の方法についての考えをお伺いします。

A. 影響していると思います。だけどこれっぽっちと言っては失礼になるけれども、やはりもっともっと高まりがないと、彼ら(政権)は本気に恐れることはない。私がデモを取り仕切っているわけではないから分からないが、こう散発的にあちこちでやったのでは効果がないと最初から言っています。

戦う場合は力を集中しないと。毎日毎日では参加する人も容易じゃない。いずれ疲れてしまう。そういう意味で何十か所かでやっているようだが、地方は多少別としても、東京のあちこちでやるよりも、数を限ってでも本当に多くの人が集まるようなやり方を、何でしないのかという気がしております。

 後進国での権力者との対決デモというのは別として、先進国でもやはり何か大きな問題があると、本当に大勢の市民が出るよね。その点、日本は、ブツクサブツクサ文句言っているけれども、なかなか行動に移さない。聞かれれば「反対だ」と言うけれども、それではなんで反対ならあんたら自民党支持しているの? 支持したっていいけれども、それなら今、あなたが投票した人に行って来いというぐらいの迫力ないと、国会議員、政府与党はとくに痛くも痒くもない話しになってしまいます。

 そういう意味で、もう少し選挙の公約にはっきりと打ち出していたものでないことをやろうとしたときは、市民の直接的な行動も必要となる場合があります。多分、今回はそうではないかというふうに思います。

 ですからデモする以外にも与野党を問わず、各政党、特に与党の人たち、遠くの人だったら、そこらで集会するよりも国会議員の家へ行ってやればいい。押しかけて行けばいい。それは有権者として当たり前です。公園で集まったってどうしようもない。それが直接的であるけど民主主義です。

 選挙の時に地元の議員がはっきりと「安保法案が必要だから、これを次の国会にかけて通します」と言っていたのなら別だが、それをひた隠しに隠しているわけでしょう。TPPだってそうです。「絶対反対」と自民党は言っていたが、選挙が終わったら、もうどんどん進めている。今、他の国が消極的でも日本が一生懸命やろうと言っているでしょう。

 こう嘘を吐いても日本人はまったく平気だし、それを咎めない。メディアもそう。だから権力者は何にも恐くない。そういう意味できちんと自分の主張はこうだと言うのならば、それに相応しい行動をもっともっと積極的に日本人は取るべきだと思います。

 それではどうするのだと。あとは選挙です。2009年総選挙から2014年選挙までにほぼ20%、2000万人の人が棄権しています。棄権ということは、「白紙一任」です。私は国民にそれをよく肝に銘じるべきと言っています。

 野党がまとまった受け皿でないと言っても、2000万の人が野党のどれか、小沢は気に入らないというなら誰か他に入れればいい。野党のどれかに入れて、2000万票が野党に入っていたら、あの議席数にはならない。もちろんドント方式だから大きいほうが有利ではあるが、棄権したのではもう何にもならない。これは白紙一任で文句言う資格ないのです。

 だから何するかと言えば、選挙の時、皆が行って自公ではない政党に入れればいい。それしか変える方法はない。我々は、そのときに票を投じやすいように野党は一枚岩となって国民に訴えるという責任は持っています。理屈の上では、投票をボイコットしていたのでは、サボっているのでは、もうダメと思います。
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(太字はcocologh09による)

 

 

極左(極右と同義語)にどっぷり浸かった小沢一郎氏ですが、ここまでまともなことを言えないようでは政治家として、あるいは人として終わりでしょう。カルト連中に堕ちた人が、どれだけ晩節を汚すことになるかいい見本といえるでしょう。

 

■デモについて

後進国(注・小沢氏が「発展途上国」ではなくこの言葉を用いてます)と先進国のデモの違いについてどのように認識しているのか、この会見からははっきりとわかりませんが、察するに

「後進国のデモ=野蛮で愚かな行為」

「先進国のデモ=上品な意思表示・成熟した民主主義」

と区別しているように受け取れます。

 

思想信条や表現の自由は民主主義の根幹であり、日本国憲法で認められているものです。(このときデモ活動はあくまでもその一部であって、デモ活動=民主主義ということではありません)

しかし同時に「誰にでも迷惑をかけていい」ということではありません。デモに参加していない(違った思想信条の)人々の生活を脅かすようなことを認めるわけにいかないのは至極当然です。これも憲法で保障されています。

小沢氏は「公園ではなく国会議員の家に押しかけるのが民主主義」と述べています。つまりデモが「公の場で主義主張を訴え、多くの人に理解を求める」ことではなく「国会議員の家に押しかけ、家族を巻き込み脅すことが民主主義である」と述べているのです。

国会議員は公人ですからその範囲で晒される対象であることは理解できます。しかし家族はどうでしょうか?首相を批判するのに首相官邸前ではなく、首相の自宅へ行ってデモ(抗議行動)行うことは、はてして「上品な意思表示・成熟した民主主義」なのでしょうか?

小沢氏の言っていることは
「労働組合は憲法で認められた活動として、公の場や社内の社長室で抗議してもどうしようもないから、直接(家族のいる)社長の家に乗り込めばいい。それが民主主義」
ということです。

 

ま、左翼に首根っこ掴まれると左翼思想を肯定せざるを得ませんからね。左翼とは平和どころか武力を含めた圧政社会(例・北朝鮮)を実現させようという連中ですから。

 

 

■棄権について

「嘘を吐いても日本人がまったく平気」とはいったい何でしょうか? 自分も含めた国会議員の嘘や責任のないいい加減な言動の数々に、傷ついてきた人がいないとでもいうのでしょうか?

「それに相応しい行動をもっともっと積極的に日本人は取るべき」とは、棄権という抗議行動を一切認めず、国会議員の家に押しかけるべきだということなのでしょうか?

 

 

ここで出ててくる2000万人とは、
2012年衆院選(民主党が失った2000万票のうち、半数の約1000万人が棄権、もう半数が第三極に。自公の票数も減って支持数は下がる)
2014年衆院選(2012年に棄権した約1000万人はそのまま棄権、第三極に期待した人も裏切られ棄権。自公の票はほぼ横ばい)

 

2012年は当時の与党である民主党(野田政権)が多くの国民が反対する消費税増税を自民・公明と3党合意で成立させたことによるものです。小沢氏自身、その法案に反対したことが原因で離党した経緯があるはずです。

つまり消費税増税を勝手にやった民主党を一票を投じることを2000万人が拒否したのです。まともな投票行動ではないのでしょうか。(当時小沢氏もそのように発言していたはずです)

一方小沢氏は左翼と手を組み「反原発・脱原発」を掲げました。野田政権が「消費税増税について解散で是非を問う」と挑んだ勝負に、受けて立つべき小沢氏は「反原発・脱原発・卒原発」を掲げ、結果として人々の意を汲むことができませんでした。当時「消費税増税阻止」を掲げていればもっと多くの票(民意)を得たでしょう。自らの戦略上の失敗です。

それでも維新、みんな等の第三極に期待した人もいました。しかし彼らがただの右傾化したネオコンであることが多くの人々の知るところになり、2014年には支持を落とします。

 

●自民党
(小沢氏が指摘しているように選挙期間中にTPP反対からその後推進へ変えた嘘つき政党。安保法案も国民の理解を得ず強硬)

●民主党
(消費税増税という最大の裏切りをした嘘つき政党)

●維新などの第三極
(右傾化・ネオコンが露呈。引退すると言っておきながらさっさと政界へ戻る橋下の嘘や身勝手さ)

●共産党?極左?グリーン系?リベラル?
(平和と言いながらデモで安倍首相の人形を引き殺すパフォーマンスをするカルト)

そして何より問題なのは、この4つ以外に選択肢がないということ

棄権

 

「嘘に傷つき、平気ではない人たちの民主的な抵抗行動」だと、なぜ理解できないのでしょうか?

それどころか「棄権したのではもう何にもならない。これは白紙一任で文句言う資格ないのです」とは、あまりにも国民を馬鹿にした発言です。

 

 (続く)

2015年9月22日 (火)

<安保関連法成立シリーズ>④都合によって「民意」を持ち出す民主党のテキトーさ

④都合によって「民意」を持ち出す民主党のテキトーさ

 

「1億人の民意をしっかりと体現していく」国会内で緊急集会を開く
https://www.dpj.or.jp/article/107633

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民主党は16日午前、安保法案の廃案を求める党所属衆参国会議員の緊急集会を国会内で開き、党内一致結束して与党の暴挙に反対していく意思確認を行なった(写真上は、参院安保特筆頭理事の北澤議員の掛け声でガンバロウ3唱する参加者ら)。

 あいさつに立った岡田克也代表は、「いよいよ正念場だ。この数週間、国会は多くの国民の皆さんが取り囲んで、この法案の廃案と違憲であるということを口々に訴えてきた。この方たちは、この国の危機を何とかしようと自分の意思で集まってきてくれた」と述べた。さらに、「8割の国民が説明不足だと言っている、1億人だ。採決反対は6割、7千万人だ。私たちの後ろにはこれだけの国民がいる。この民意をしっかりと体現していくために、われわれ民主党は一致団結して努力しよう」と力を込めた。

 そして、「公聴会というのは、そこでの意見を踏まえて審議を重ねるためにある。締めくくり総括審議など、とんでもない話だ。みんなの力を合わせてこういった企みを阻止して行こう」と力強く表明した。

 郡司彰参院会長は、「昨日の公聴会を見て、あれで審議を終えるような内容だと思っている人はいない。そもそも違憲の集団的自衛権は認めるわけにはいかない。立法事実も欠如している。多くの国民の皆さんが国会を取り囲んでいる」と述べた上で、「これからが闘いの始まりだと思っている。来年は参院選がある。さらには衆院選もあるかもしれない。私たちはこの政権の暴挙を許さないために、しっかりと手を携えて一糸乱れず、しっかりと戦い抜いた姿を見せていこう」と呼びかけた。

 福山哲郎参院安保特委理事からは現状報告が行われ、最後は北澤俊美参院安保特委筆頭理事の掛け声でガンバローコールを行い、結束して進むことを誓い合った。
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この発言にはあんぐりしました。

確かに発言内容は間違っていません。安保法案に反対する意見は多数派です。

 

しかし、です。

国民は忘れません。2012年に消費税増税法案を成立させた主犯は当時の政権与党であった民主党です。もし「民意が大切」であるというなら、なぜ民主党は多数の国民の民意を踏みにじって消費税を増税したのでしょうか?

 

安倍政権は民意を無視しているなどと批判できるような立場に民主党はないはずです。

2009年に約2900万票あった支持を2012年には約900万票に減らした(2000万人の支持を失った)民意を、民主党は理解しているのでしょうか?

 

付け加えますと、このシリーズの②に書きましたが、2012年6月29日の20万人反原発デモ(あくまで主催者発表の数字です)は、政権与党の民主党に対する抗議デモでした。その「民意」を無視して?原発を再稼働させたのは民主党です。

12万人(あくまで主催者発表の数字です)のデモが国民の総意だと主張するなら、20万人デモ(あくまで主催者発表の数字です)のときなぜ原発再稼働を止めなかったのでしょうか?

民主党の使う「民意」という言葉は、その時々の都合によって使い分けられるテキトーなものであるということがよくわかります。

(続く)

2015年9月21日 (月)

<安保関連法成立シリーズ>③民主主義とは多数決による意思決定

③民主主義とは多数決による意思決定

 

よく共産党などの左翼が「民意を無視するな」とか「数による横暴を認めない」という発言をします。

「民意を無視するな」は間違っていませんし、多数派だからといって何をやってもいいというわけではないということは当然です。政治とは会社の運営などとは違って反対派を排除すれば済むことではありません。国政とは全ての国民の将来を背負うということです。その意味で少数派の意見に耳を傾けることは大切なことです。

 

しかし少数が多数を覆すことは民主主義ではありません。少数による支配になれば、それこそ独裁になるからです。

ここでいう多数、少数とは議席数です。民主主義政治とは議席数こそが全てだといっても過言ではなく、どのような思想や政策であれ、議会で多数派にならないことにはなにも実現しません。

 

ですから全ての政党は「議席を獲得して多数派になること(過半数を得ること)」を目指すのは当たり前のことであり、それをしない政党はインチキです。

多数派になること目指さない=本気で政策を実現をすることを放棄している

といえるのです。

 

 

この数日間、野党の意味のないパフォーマンスが展開されましたが、彼らが本当にやるべきことは「選挙で多数派になること」です。

 

単純な話、法律は未来永劫あるわけではありません。

もし本気でパフォーマンスしたほど今回の法案を廃案にしなければならないのであれば、野党側は3年以内に行われる衆院選で勝って多数派になり、修正法案などで元の状態に戻せばいいのです。

国会で牛歩することは何の役にも立ちませんが、選挙で勝って多数派になることは、確実な道筋で実現性のあることです。

もしそれをしないということであれば「本気で安保法案を廃案にする気など元からなかった」ということです。

 

そんなことができるぐらいなら苦労しないって?

できます。簡単です。

 

熊さんとご隠居さんの会話①
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-ea78.html

熊さんとご隠居さんの会話②
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-c10a.html

熊さんとご隠居さんの会話③
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-ac34.html

熊さんとご隠居さんの会話④
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-8d60.html

熊さんとご隠居さんの会話⑤
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-e137.html

熊さんとご隠居さんの会話⑥
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/472014-b260.html

熊さんとご隠居さんの会話⑦
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-0c41.html

熊さんとご隠居さんの会話⑧
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-14f5.html

(続く)

 

 

<この記事の追記>

共産党が選挙協力を言い出しました。

<共産党>他党と選挙協力…独自候補擁立見直し
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150919-00000065-mai-pol

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共産党は19日、党本部で緊急中央委員会総会を開き、来夏の参院選や次期衆院選で民主党など他の野党との選挙協力を進め、原則として全選挙区に独自候補を擁立する党方針を見直す方針を決めた。「安全保障関連法廃止」での一致が条件で、共産党が他党との全面的な選挙協力を打ち出すのは初めて。

 共産党が、候補者調整も含めた選挙協力に踏み込む姿勢に転換したのは、安保関連法に反対する世論の高まりを受けたためだ。関連法成立阻止のために内閣不信任案を共同提出した民主、維新、共産、社民、生活の5党に、参院会派「無所属クラブ」を加えた枠組みを基礎とする。

 志位和夫委員長は記者会見で「国政上の違いは横に置き、大同団結したい。選挙協力はいろいろな形が可能で、我々が立てずに相手を推薦することもある」と述べ、野党統一候補も検討する考えを示した。

 共産党は昨年の衆院選では沖縄県4選挙区で他の野党と候補者調整した結果、1区で18年ぶりに小選挙区の議席を獲得した。全国で選挙協力が実現すれば、来夏の参院選の情勢にも影響しそうだ。ただ他の野党には共産への警戒心も強く、具体的協議がどこまで進むかは不透明だ。【田所柳子】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

これまで散々自民党に助け船を出すために小選挙区で候補者を擁立し続けてきた共産党が「選挙協力」を言い出しました。ただしきちんとした道筋で実現するかどうかは極めて怪しく、またこの発言がこのタイミングで報道されること自体「実現しないことを前提にしている」ように思えます。

肝心なことは、2016年の参院選ではなく次回総選挙(衆議院)でやることです。参院選だけなら全く意味がないことはこのシリーズの①に書いた通りです。

 

2015年9月20日 (日)

<安保関連法成立シリーズ>②反対デモ参加者は多かったのか?

②反対デモ参加者は多かったのか?

 

8月30日にピークを迎えた安保法案反対デモは、主催者発表で12万、警察発表で3万3000人でした。デモにおいて主催者発表と警察発表がかい離するのは昔からで、今回だけ特別なことではありません。

 

デモに限らず一般的に「主催者は盛る」ものです。人数カウントとはかなりいい加減なもので、例えばプロ野球の入場者数を正式に発表するようになってから、それまで5万8000人だった発表が4万5千人程度と急にダウンしたことがあります。つまり人の目で人数のカウントはできないということです。

 

これらの数字を判断する一つの材料があります。

主催者発表で参加者12万のデモよりももっと大きいデモが日本国内で少し前にありました。いつどこのデモだったかおわかりになりますか?

 

再稼働ノーだ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-06-30/2012063001_01_1.html

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 「再稼働反対」の熱気が首相官邸をつつみました。大飯原発3号機の起動が来月1日に予定されるなか、29日におこなわれた「原発再稼働決定を撤回せよ」官邸前抗議行動。関東だけでなく北海道、岩手、福島、福井、長野、愛知、佐賀、長崎などからも自主的に人が集まり、主催者は約20万人が参加したと発表しました。大阪、京都、名古屋などでも連帯した行動が取り組まれました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

共産党の機関紙赤旗によれば、2012年6月29日の反原発デモは主催者発表20万人でした。もし主催者発表の人数を採用するなら、反原発よりも安保反対デモは規模が小さいということになります。

 

 

こちらも御覧ください。当時のデモ参加者数についてマスコミがどのように報道していたのかがわかります。

6/29首相官邸前デモ参加者は何人?各社報道と空撮画像と指摘画像まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2134098546340061401?&page=1

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・News i - TBS  主催者発表20万人
・MSN産経ニュース 警察関係者によると2万人弱
・朝日新聞デジタル 主催者15万~18万、警視庁調べで約1万7千人
・毎日.jp 主催者約20万人、警視庁は約1万7000人
・日本経済新聞 主催者側20万人、警視庁2万人弱
・NHKニュース 29日は前回を上回る人数になった

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ここで不思議な事に気がつきます。

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●主催者発表 反原発デモ20万人→安保反対デモ12万人
●警察発表 反原発デモ1万7000人→安保反対デモ3万3000人
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主催者発表では反原発デモより安保反対デモの方が規模が小さいのに比べ、警察発表では反対で反原発デモより安保反対デモの方が規模が大きくなっています。

これについて私の見解は「主催者が反原発デモであまりにも盛りすぎた非現実的な数字を発表してしまった(10倍の違い!)ため、下方修正した」です。

つまり主催者発表は相当いい加減なものだということです。

 

 

話を進めるために、ここでは主催者発表に近い「10万人」が安保反対デモに参加したと仮定します。

10万人というのはもちろん大勢の人です。

現在2020年の東京オリンピックに向けて新国立競技場が計画されていますが、それでも収容人員は7万人程度です。

しかし国政選挙(民意)となるとそうではありません。

日本の人口は1億2689人で、そのうち有権者は約1億人です。1億人を分母とするなら10万人は0.1%に過ぎない数字ですし、参議院なら0議席、衆議院でもよくて1議席にしかならない数字です。

 

これについては橋下氏が「デモは少数」という内容の否定発言をしましたが、言い方や例えはともかく数字に対する認識は間違っていません。

 

橋下氏、国会前デモ「ほぼ数字にならない」 影響警戒か
http://www.asahi.com/articles/ASH91049GH80PTIL02S.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「日本の有権者数は1億人。国会前のデモはそのうちの何パーセントなんだ? ほぼ数字にならないくらいだろう」
「こんな人数のデモで国家の意思が決定されるなら、サザンのコンサートで意思決定する方がよほど民主主義だ」
「デモは否定しない。国民の政治活動として尊重されるのは当然」
「デモで国家の意思が決定されるのは絶対にダメだ。たったあれだけの人数で国家の意思が決まるなんて民主主義の否定だ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

もちろんデモに参加した人だけが今回の安保法案に反対しているわけではありませんからこれだけで反対する意見が少数派だとするのは間違いです。実際マスコミなどの調査では今回の安保法案に「反対」や「今国会での成立させることに疑問」といった意見が多数でしたので、国民全体では反対が多数派であることは間違いないと思います。

しかし「安保反対デモ」が民意を反映しているかといえばそうではないでしょう。デモに参加している大多数は左翼からの動員です。嘘や品のない言動を平気でする彼(彼女)らに素直に賛同できる人は少なくて当然です。(だからこそ左翼はマイノリティなのです)

(続く)

2015年9月19日 (土)

<安保関連法成立シリーズ>①2015年に安保法案を通すことは決まっていた

安全保障関連法が参院本会議可決、成立しました。これに関して何回か記事を書きたいと思います。
(全体的な構成はまとまっていませんので、五月雨式な感じになるかと思います)

 

 

①2015年に安保法案を通すことは決まっていた

 

与党公明党の支持母体である創価学会で「平和の党のポリシーに反する」という反対意見が盛り上がっていたような情報がネット上や一部マスコミにありましたが、私の確認した限りでは左翼系(リベラル系含む)のメディアやジャーナリストらが報じていただけですので真実味に欠けていました。

安保関連法は突如持ち出されたわけではなく、これまでに十分に準備され成立させるタイミングを図っていたものです。準備の中には当然ながら創価学会員に対する対応も含まれていたと考えられ、安保法案に強く反対して行動に至った学会員はごく僅かだと判断しています。(ただし法案そのものにわだかまりが残る人は多いかもしれません)

2014年暮れの解散総選挙は「消費税アップの時期を延期することに信を問う」ものでしたが、実際には「2015年に安保法案を成立させるため」の解散でした。

 

なぜ2015年なのでしょうか?

 

この四半世紀の間、自民党が政府与党で重要な法案を成立させるのは必ず「参院選の前の年」でした。

消費税導入3%→1988年(竹下内閣)/1989年参院選
消費税増税5%→1994年(村山内閣)/1995年参院選 ※施行は1997年(橋本内閣)
安保関連法→2015年(安倍内閣)/2016年参院選

※少し古くなりますが70年安保も翌年1971年に参院選を控えた年でした。

 

これは偶然ではなくきちんとした戦略(シナリオ)があってのことです。

国民が反発するような大きな法案を通過させるのには大きなリスクがあります。そのリスクとは「選挙で負けて下野すること」です。

与党側にしてみれば、法案成立直後の国政選挙が正念場です。その「法案成立直後の国政選挙」が衆院選なのか、あるいは参院選なのかでリスクは大きく異なります。

法案成立直後の国政選挙が衆院選であれば、負ければ即下野です。これは与党側にとって大きなリスクとなります。

ところが参院選ではそうではありません。負けても衆議院の議席は変わりませんので即下野することはありません。また参院選は半数改選なので、議会を一変するほど負けることもありません。

 

つまり参院選をクッションとして使える参院選の前の年は、重要法案を通過させるためには一番都合のいい年なのです。

(続く)

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